2020/10/28
注目行動
From 吉永信昭(よしながのぶあき)
@福岡県久留米市
子どもたちの中には、不適切な行動をして自分に注目を集めようとすることがあります。
いや、これは子どもに限っての話ではありませんね。
大人でも相手の気を引くために、わざと変なことをしたり、相手を怒らせるような言動をとって自分の方に目を向けさせるようにすることがあります。
好きな人に振り向いてもらうためにわざとちょっかいをかけたりするのも注目行動です。
相手がどれだけ自分を拭きむいてくれるか試しているので試し行動と言ったりもします。
さてこの注目行動ですが、「この人は自分のことを受け入れてくれるのか」とか「自分にどれだけ関心を持ってくれているのか」とか「こんなことをしても受け入れてくれるのか」などといったことを試しています。
悪いこととわかっていながら悪いことをやってみて大人の様子を見ると言うように、子どもは相手の愛情を確認している行動です。
「やめなさい」といったことをわざとやる。
人混みの中で大きな声で泣き叫ぶ
ものを投げたり壊したりする
噛みついたり叩いたりする
わがままを繰り返す
大人の様子を見ながら逃げる
叱られた行動を繰り返す
集団の中でそのような不適切な行動をした場合、「〇〇くん、うるさいからやめなさい」「ちゃんとしなさい」などと注意されて、その子に一気に注目が集まることになります。
つまり悪いことをしたことで、自分に関心を持ってくれる、自分のことを見てくれると言うことを学習します。
だから「やめなさい」と注意をすればするほど、「あ、自分に目を向けてくれているんだ」と思って、その不適切な行動が増えていくようになります。
子どもたちの注目行動にほとほと困らされてしまう人も少なくはありません。
子どもたちが注目行動をする理由や背景は様々ですが、主なものを挙げてみると次のようなことになります。
・「この人は自分のことをどれだけ大切に思ってくれているのかな?」と自分への愛情を確認したい
・自分に気を引かせるための方法がわからない。
注目行動は、大人にとっては本当に困ってしまうような行動が多いので、感情的に怒ったり「あなたなんて知りません」と突き放したりして何とか止めたいと思ってしまうのですが、実はこうした対処法は逆効果になってしまいます。
まずは、「望ましい、良い行動をした場面に注目をして、褒めたり、その行動を認める」と言うことをしたいです。
騒いだ時に自分の要求が通ると言うことを学ぶのと同じように、良い行動をすると注目されたり褒められたり認められていくことを覚えると、良い行動は増えていくと考えられます。
そして不適切な注目行動も次第に減っていくことになります。
注目行動に対処するには、大人の多大な努力や忍耐も必要です。
うんざりしたり諦めてしまって、感情的に怒ったり無視したりしてもいけません。
正しい行動を積極的に褒めることに合わせて「どんなあなたでも無条件に愛している」と言うメッセージを言葉や態度で、子どもたちにしっかりと届けてあげることを忘れてはいけません。
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