2020/08/30
魚の獲り方を教える
中国の格言に「魚を与えるのではなく、魚の獲り方を教えよ」というものがある。これは老子という思想家がいった言葉という説もありますが、教育の世界でもよく使われている言葉ですが、教育の本質を唱えている含蓄のある言葉です。
お腹を空かしている人を見たときに、魚を与えることは一時的には空腹を満たしてあげられる簡単な方法だけれども、それを安易にしてしまっては、その子はお腹が空くたびに誰かを頼って、魚を取ってもらわなければいけなくなります。
それに対して、魚の獲り方を教えて実践させることで本人に身につけさせることで、空腹になったときに自分の力で魚を獲って食べていけるのので、一生、自分の力で生きていくスキルを身に付けることになります。
もちろんとても困難な状況でどうにもならないときには、目先の困難を解消する手助けをすることも大切なことです。
でも、その子の長い人生を見据えて考えたときに、「何が相手のために一番になるのか?」ということを考えて、どんなアプローチをするべきかを考えないといけません。
一方的に知識やスキルを詰め込むだけでは、その子が一生使える力を身につけさせることはできません。
教える側からすると、その子のためになると思って安易に答えを教えてしまうこともあります。
できないことを見ているとイラッとしてしまって、「こうやるんだよ」とやってしまってあげることもよくあります。
でも、そこをグッと堪えて、相手が試行錯誤した上で、自ら気付くような、学びの機会を奪ってしまってはいけないということも、教育者としては念頭に入れておきたいです。
私は子どもに問いかけるときに、「はい」「いいえ」で答えられるような、クローズドクエスチョンをなるべく使わないように心がけています。
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