2021/02/04
脳内ネットワーク
From 吉永信昭(よしながのぶあき)
@福岡県久留米市
私たち人間の脳内には、脳神経細胞同士がネットワークを作って情報を伝達しあっていきます。
この脳神経細胞のネットワークが効率的につながり、情報を素早く的確に伝達できることが「頭がいい」とか「記憶力がいい」ということになります。
私たちは「見る。聞く、読む」などで得た情報や、「運動する、考える、感じる、記憶する」といった活動は、ニューロンといった特別な細胞同士のつながりを通じて脳内に伝達されていきます。
この脳内のネットワークづくりは、赤ちゃんの頃からさかんに行っていますが、このネットワークづくりのパターンは決まっています、
①とにかくたくさんの道を作る
②それを実際に使ってみる
③使われていない道はどんどん壊していく
という方法です。
まずは脳の中で情報が通る道をたくさん作り、ネットワークを張っていきます。
これは生まれた頃から発達のある段階まで、ずっと続きます。
そして、ある時期から道の整備が始まります。
使われていない道はどんどん壊していくのと同時に、よく使う道は太く頑丈にするという作業を行っていきます。
使わない道路を間引くことで、脳を効率よく使えるようになるわけです。
この①や③の時期は、能力の種類によって差があります。
そこで、能力が一番伸びやすいときに、その能力に関係することを習うことで、子どもの能力を効率よく伸ばすことができます。
生まれてすぐに、視力や聴力は凄まじいスピードで発達します。
「感覚」や「感性」は目と耳で磨かれていくので、この時期には図鑑を見せたり、絵本の読み聞かせや音楽などにも触れさせていきます。
3歳から5歳前後に、運動野と呼ばれる部分が発達のピークを迎えるので、楽器や運動を始るのもこの時期がおすすめです。
東大生には小さい頃にピアノを習っている人が多いという統計結果があります。
卓球やフィギュアスケートなど世界で活躍している選手はこの時期から始めている人が多いようです。
細かで器用に運動することを「巧緻運動」と言いますが、巧緻運動の能力が一番伸びやすいのが3歳〜5歳になります。
言語の発達は、8歳〜10歳にピークを迎えます。
英語を覚えるなら子どもの時期の方が良いと言われますが、言語能力の発達が著しいこの時期に始めると、バイリンガルに近い能力を、大人になって始るよりもかんたんに獲得できそうです。
そして、10歳から思春期にかけて著しい成長を迎えるのが、コミュニケーションや対人関係に関わる部分になります。
この時期には、学校生活の中でもコミュニケーションの輪は広がっていくことになりますが、色々な人とコミュニケーションを取る機会を作ってあげることが大切になります。
ゲーム機やスマホを相手に1人で遊ぶことよりも、意識的に他の子供たちと関わる時間を用意してあげる必要があります。
脳の発達から見ても、一番適した時期に一番適した刺激を与えることで、子どもたちは効率よく最大限に能力を伸ばしていくことができます。
子どもたちが伸びていく最適な環境を作ってあげることは、私たち大人の大きな役割のひとつです。
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