2021/01/06
少年スポーツの指導者
From 吉永信昭(よしながのぶあき)
@福岡県久留米市
「なんでファーボールを出すんだ」と大きな声でピッチャーを怒鳴りつけている少年野球の監督がいました。
ピッチャーの少年は
必死になって投球しているのですがとても疲れている様子もあって思うようにコントロールが定まりません。
監督から怒鳴られた言葉に「はい」と言って、必死な表情で投球を続けます。
一生懸命に投げているのにも関わらず、またファーボールを出してしまいました。
「何度、言ったらわかるんだ。ファーボールを出すな」と監督はピッチャーの少年を怒鳴りつけています。
周りにいるコーチたちは、怒りに任せて怒鳴りつける監督を止めることはできずに一緒になって「ストライクを入れろ」などと声をかけています。
ピッチャーの少年は泣きそうな顔をしながらも、一生懸命にボールを投げ続けています。
これは昨年たまたま通りがかかりに、少年野球の試合をしていた時に、実際に見かけたシーンです。
このようなシーンを見かけたとしたら、あなたはどう感じますか?
「スポーツをやっているんだから厳しくして当たり前でしょ」と思う人もいるだろうし、
「ファーボールを出すなという声かけじゃなくて、どうすればファーボールを出さなくいいかをもっと具体的にアドバイスしたほうがいいでしょ」と思う人もいると思います。
少年スポーツの指導者の中には、いまだに前者の考え方を持っている人の方がいるのかもしれません。
これは、かなりやばいことです。
この時にさらに気になったことがありました。
それは少年のピッチングフォームです。
かなり無理をして力んで投げていて、このままこのフォームで投げていると、そのうち肘の故障につながりそうな投げ方なのです。
もしかするとコントロールが定まらないのもそのピッチングフォームが原因なのかもしれません。
日頃の練習の時から、気づいてあげて、フォームを修正してあげることはできなかったのかなと思いました。
でも、もしかすると、そのフォームが危ないということにも気づいていないのかもしれません。
だから、結局、結果でしか選手を怒鳴り散らすような指導しかできないのかもしれません。
少年スポーツを指導するのであれば、そのスポーツの技術面のことだけでなく、心理面やコンディショニングの面、スポーツ外傷を防止するためのスポーツ医学、休養、栄養などについても学んで、ある程度の知識は持っておかなくてはいけません。
少年スポーツの指導者は、目先の試合に勝つことだけを目的にするのではなくて、10年後、20年後の試合で成長した姿から逆算した指導が必要です。
何よりも、そのスポーツを嫌いになってしまうような働きかけは絶対にすべきではありません。
少年スポーツの指導者は、子どもたちの未来を担っているという重大な責任があります。
子どもたちが健全に育っていくような働きかけが必要です。
子どもを伸ばすのも、潰すのも、指導者しだいだということをしっかりと自覚しておかなくてはいけません。
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