2020/12/31
大晦日
From 吉永信昭(よしながのぶあき)
@大分県宇佐市
2020年の最後の1日がやってきました。
激動の1年間でしたが、本当にあっという間だったなと思います。
大晦日には、1年の間に受けた罪や汚れを払うための神事が執り行われたり、「みそぎ」という言葉に似ていたりするので、そのような意味があるのだと思っていました。
「晦日」は月の最後のことを意味して、「大晦日」は1年の1番最後の日である12月31日を意味しているということです。
大晦日の夜から年始の深夜には、除夜の鐘を鳴らしまします。
除夜の鐘は、「古きを捨てて新しきを迎える夜に鳴らす鐘」という意味になります。
除夜の鐘には、108個あると言われている人間の煩悩の数の鐘の音を聞くと、「一切の苦から逃れて、悟りに至る功徳がある」と信じられていて煩悩が消えていくと言われています。
中国の宋の時代に起源があり、日本には鎌倉時代に禅宗の寺に伝わり、室町時代で広まり、江戸時代に一般的な寺院でも除夜の鐘を鳴らす様になったと考えています。
煩悩の数が108個あるというのは、色々な説があるようなので少し紹介します。
① 四苦八苦
人間には四苦八苦という苦しみがあると言われます。
四苦: 4×9=36
八苦: 8×9=72
合わせてみると、36+72=108
② 六根
六根は仏教用語です。
眼(げん)、耳(に)、鼻(び)、舌(ぜつ)、身(しん)、意(い)という感覚や意識を生じ、それによって迷いを起こさせる原因になる6つの器官のことを六根といいます。
そして、好(こう)、悪(あく)、平(へい)という3つの気持ちがあり、
それぞれに浄(じょう)という清いもの、染(せん)という汚れたものの二面があり、
それが、過去、現在、未来の3世にあると言われています。
これらを全部掛け合わせると
6×3×2×3=108
おそらく、この説が108個の言われなのだと思います。
③ 二十四節気
中国の季節の暦のようなものに二十四節気があります。
1年には春夏秋冬の4つの季節があり、それらの一つの季節を6つに分けたものを二十四節気といいます。
この二十四節気をさらに3つに分けたものを七十二候といいます。
この2つの数を足してみると
24+72=108
こうしてみると、108という数にはやはり不思議な力が隠れれているような気もします。
ここ数年、大晦日の夜から家を出発して、国東半島の寺院を参拝して初日の出のご来光を拝みに行っています。
昨年の話ですが、国東半島にある「両子寺」に訪れた時に除夜の鐘を打たせてもらったのですが、それがちょうど108発目の鐘でした。
神聖な場所で心静かに新年を迎えることで、新しい自分に生まれ変われる気がします。
今年は大寒波の影響が心配になりますが、心をただして年越しの時間を過ごすようにしようと思います。
皆さん、この1年間、本当にお世話になりました。
良い年越しをお過ごしください。